刑事事件の解決事例

刑事事件における解決事例

事件1:窃盗事件

<事件の概要>

被疑者は万引きの常習であり、過去に何度も逮捕されており、約1年前に窃盗で出所したばかりでした。今回は、駐輪場で自転車を盗もうとしたという窃盗未遂で逮捕されました。

被疑者は、格好のいい自転車があったので、またがって少しこいでその場で戻すつもりだった、というだけで盗むつもりはなかったと言います。

実際に、駐輪場から出る前に、被害者に見つかったため、被疑者が本当に盗むつもりだったか否かは外形的には明らかではないという状況でした。

なお、被疑者は精神病院への通院歴がありました。


<闘う弁護士の対応>

まず、被疑者の話からすると、無罪との主張をすることになり、それが大前提ですが、そのような主張をすると、検察官から嘘をついている、反省していないとみられ、公判請求される可能性があります。

他方、盗むつもりだったと認めたとしても、不起訴となる保証はなく、逆に公判請求されれば、出所して1年程度のため、執行猶予はつかず、必ず実刑となってしまいます。

その意味で、いずれの進め方にするのかが難しい問題でした。

その点を被疑者に説明したうえで、あくまで盗むつもりはなかったが、勝手に自転車にまたがってこいだのは悪かった、との限度で謝罪し、被害届を取り下げてもらうという方針としました。

ただし、その際、あくまで盗むつもりがあったとは認めず、公判請求された場合には、無罪主張をしても問題がないように交渉することが必要です。 そして、実際に、そのような姿勢で交渉に臨みました。

また、被害者に対しては、公判請求された場合には、無罪主張をするため、示談という選択肢をとらない可能性があり、その場合には、金銭的な弁償を被害者が全く得られない可能性があることを示唆しました。

これにより、被害者に対し、早期の示談を促したのです。

もちろん、被害者には誠心誠意対応し、当事務所からは1時間程度離れた場所に被害者は住んでいたのですが、被害者の都合に合わせ、最終的に示談を締結したのは、被害者の自宅近所のファミリーレストランで夜12時でした。直後に検察官に示談を報告し、不起訴とするよう申し入れ、不起訴となりました。


<事件解決のポイント>

本件は徹底して、無罪主張をして、示談交渉は一切せず、検察官が公判請求をするのであれば、その中で争って無罪獲得を目指す、という方針も考えられました。

しかし、事案や被疑者の前科等を考慮し、示談を成立させれば、不起訴を獲得できる可能性が高いと判断しました。

このように、仮に無罪主張が考えられるとしても、それには相応のリスクがあるため、そもそも公判請求されないことが被疑者にとって最良であるならば、やみくもに突っ込むのではなく、被疑者にとって最良の結果を求めることが重要です。

事件2:強盗殺人事件

<事件の概要>

被告人は、被害者宅に空き巣目的で侵入したところ、被害者と鉢合わせになり、もみ合いとなり、被害者を殺意をもって絞殺したとの被疑事実で逮捕・勾留され、起訴されました。

もっとも、事件から長期間が経過してから被告人は逮捕されたため、殺すつもりがなかったことは覚えているものの、当時のことをあまり覚えていませんでした。


<闘う弁護士の対応>

殺意がないとのことであったので、どれだけ警察、検察から責められようとも殺意があったなどと認めては絶対にいけない、と助言しました。

もっとも、警察の取り調べは連日長時間にわたり行われたうえ、大声で怒鳴られるなどの違法な取り調べが行われていました。

そのため、警察、検察に抗議し、取調べの改善を申し入れました。

併せて、被告人にも頻繁に接見し、取調べに屈することのないよう励ましました。

公判においても、殺意の有無を争い、医師への尋問、被告人への質問を行い、当時の状況を詳細に分析したうえで、殺意がないことを主張しました。


<事件解決のポイント>

最終的には殺意が認定されてしまったものの、被告人からは感謝の言葉を貰いました。

いかに不利な場面でも徹底して闘う姿勢を示すことで、被告人としても、やれることはやり切ったという気持ちをもってもらうことができました。

事件3

<事案の概要>

金曜日の最終電車に乗った被疑者の男性が、混雑した電車内で、前に立っていた被害者の女性のお尻を触ったという迷惑防止条例違反の容疑で、現行犯逮捕され、留置施設に逮捕・勾留されました。

この被疑者は、有名企業に勤務しており、同じような前科が1犯ありました。


<闘う弁護士の対応>

被疑者は、容疑自体は認めていましたが、勤務先に前科を知る者がいたこともあって、逮捕・勾留の事実が発覚したら、懲戒免職を免れられない状況でした。また、担当検察官は、本件を起訴すべきと考えていました。

そこで、①担当検察官と交渉した上で、被害者との示談交渉を迅速に進め、事件発生後1週間以内に、被害者との間で示談を締結しました。示談の際には、被害者の指定する場所まで赴きました。また、②勤務先と直接対応をすることを迫られた、実家に住んでいた被疑者の母親と毎日打合せをして、勤務先に対する具体的な対処方法を決定し、着実に実行させました。具体的には、上司から欠勤理由を疑われないようにする必要がありましたので、会社に対する欠勤理由の説明にあたっては被疑者の母親に協力を仰ぎ、綿密な打合せのもとで方針設定を行いました。

その結果、被疑者は、起訴されることなく、罰金を支払うことで、短期間で身体拘束状態から解放されるとともに、勤務先にも逮捕・勾留された事実を最後まで知られることなく済んだため、懲戒処分を受けることもありませんでした。

こうして、被疑者は、釈放された翌日から職場復帰をすることができました。


<事件解決のポイント>

本件では、被疑者を勤務先に復帰させるため、一刻も早く身体拘束状態から解放させることにポイントを置きました。このような対応方針については、被疑者及び被疑者の両親に十分な説明をしたうえ、納得してもらいました。

また、交渉相手として、検察官、被害者と勤務先の3者が存在する事件でしたので、すべての交渉先と密に連絡をとって信頼関係を醸成しつつ、一刻も早い身体拘束状態からの解放を実現するべく、迅速な示談締結に向けて闘いました。

事件4

<事件の概要>

逮捕の前日に警察から出頭するようにとの連絡を受けたご本人より相談を受け、起訴前弁護のご依頼を受けました。次の日に逮捕され、その次の日には検察官から勾留請求がなされました。しかし、この件に関しては、ご本人が罪を認めて反省し、捜査機関の捜査にも協力している上、既に捜査機関が物証の収集、被害者等関係者の取調べを済ませており、勾留がなされなくとも本人が証拠を隠滅する可能性がなく、また、ご本人は定職に就き、婚約者と同居しているために、それら全てを捨てて逃亡することも考えられない事案であったため、勾留がなされるのは行き過ぎであると考えられました。そこで、即座に裁判官に連絡をとり、ご本人には証拠隠滅や逃亡のおそれはないこと、よって勾留請求は認めるべきではないことを強く説得いたしました。その結果、裁判所に当方の主張を御理解いただき、勾留請求を却下させることができました。

勾留が認められていれば、更に10日間は身体拘束されてしまい、ご本人の仕事にも多大な影響が出てしまうところでしたが、勾留請求が却下されたために、約2日間、身体拘束されて、すぐに家族の元に戻り、仕事にも復帰することができました。


<闘う弁護士の対応>

ご依頼を受けて、勾留請求をされるまでの2日の間に、連日、被害者との示談交渉を行い、身元引受人を確保するなどして、資料を揃えた上で、罪障隠滅や逃亡の可能性がないことを検察官、裁判官に伝え、勾留をすべきではないと積極的に働きかけました。


<事件解決のポイント>

刑事事件、特に身柄事件(逮捕・拘留により、留置場等に拘束されている事件のことです。)の場合には、スピードが命です。1日でも身体拘束が長引けば、それだけ社会復帰が難しくなるのが現実です。逮捕されてから勾留請求されるまでの時間は、最大でも72時間しかありません。その間に、こちらに有利な事情を探し、資料を集めなければなりません。今回の件は、依頼者が逮捕される前に弁護士に依頼していたこと、弁護士が迅速に対応したことから、勾留請求の却下、身体拘束からの解放という結果を勝ち取った事件といえます。


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